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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

やっと愛媛のまん防が解除されましたね。

ワクチン接種も進んでくる中で、ついに我々歯科医師にもワクチンの打ち手になるように、とのお達しがきました。

みんなで協力してこの難局を乗り越えたいですね。

さて、いつもはセラミックだのジルコニアだの、白くていい素材の紹介ばっかりやってますが、
今回はあえて銀歯の紹介をしようと思います。
というのも去年、新しい銀歯の素材が承認されました。

その名も「チタンクラウン」

お察しの通り、チタンという金属を用いた被せ物です。


特徴は

見た目:変わりません

強度:大差なし

重さ:軽い


重さこそ違いがあれど、数gの話ですので、患者さんが違いを感じることはまずありません。


クラウンイメージ



ではなんで、こんなものが登場したかというと

従来の銀歯の価格が異常に高騰したから、と言われています。


銀歯ですが、主に金、銀とパラジウムという金属が使われています。

近年このパラジウムが異常に値上がりしています。

2015年からなんと5倍!


money_keizai_rousoku_chart.png


となると、金属代、すなわち材料代がハネ上がってしまいます。

材料代が上がれば売値を上げるのが、世の常ですが、我々の世界はそうも言えません。

保険診療では国から治療費が決められているので、勝手に価格を上げることができないのです。

国も金属価格の上昇に合わせて、治療費をあげてはいたのですが、いよいよ追いつかなくなり

大きめの銀歯では

治療費<材料代

という異常な状態が起きるようになってしまいました。


原価率100パーセント超え、やればやるほど赤字になるという恐ろしい状態です。

流石にまずいということで、全く別の金属である、チタンクラウンが認可されたようです。

私も早速使ってみましたが、少し調整の時にクセがあるな、という印象でした。

技工士さんサイドからすると作り方が違うので、そこがまだちょっと…といったカンジみたいです。

そもそもチタンはアレルギーを起こしにくい、と言われていますし、悪い素材ではないかなと感じています。


私が歯科医師になって10数年、いろいろな新しい素材が世の中に出てきましたが、

従来の銀歯がこのような形で駆逐されていくとは思いもしませんでした。

ホント世の中なにが起きるかわからないものです。
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2021.05.28 Fri l 虫歯 l top