fc2ブログ
こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

随分と久しぶりの更新になりました笑
時々サボり癖が出てしまうので注意しないといけませんね


「開咬と犬歯誘導」ってなんだかとっつきにくいタイトルですが、以前紹介した「8020を妨げるもの」の続きになります。
中身も専門的な話になりすが、実は大事なことなので、お付き合いください
なぜ開咬がよくないのか?これはかみ合わせを語る上で非常に大事な要素を含んでいます。まずはかみ合わせについて前歯と奥歯に分けて説明させてください


前歯と奥歯の役割について整理します

まず前歯ですが、食物を噛み切る役割を果たしています。歯根は細いですが非常に長く、噛んだままスライドさせるような横からの力に対する抵抗力が高いです。一方、少し軸が傾斜しているため、カチカチ噛むような、縦の力には弱い傾向があります。

奥歯は食物を噛み潰す役割を果たしています。歯根は短いですが、複数に枝分かれしています。奥歯は縦の力には強いですが、実は横からの力にはそれほど強くありません。

implant-compare003.pngperio001.png




ここから横の動きにスポットを当てます

上下の歯をかみ合わせて、左右にスライドさせてみてください。おそらくほとんどの方が、上下の奥歯が浮いて隙間ができると思います。本当は上下の犬歯だけが当たって、他の歯は浮いている状態が理想とされています。犬歯によって左右の動きが決定づけらる、これを「アンテリアガイダンス」「犬歯誘導」いいます。

66D41610-53A8-41FD-842D-63DDCD8316E5.jpegきちんと犬歯誘導が保たれている例


犬歯誘導は奥歯を守っています

きちんと犬歯誘導が備わっていると、何がいいのか?ですが、先ほど奥歯は横からの力に弱いと述べました。横に動かした時に、犬歯しか当たっていないということは、奥歯にとっては苦手な横からの力を、犬歯が代わりに受け止めてくれている、ということになります。すなわち、前歯が奥歯を守っているという図式が成り立ちます。

もちろん奥歯も前歯を守っています

話が脱線しますが、前歯は縦の力に弱いです。上下の歯を噛み合わせた時に、その負荷を奥歯がしっかり受け止めることで、今度は前歯が守られることになります。


ここから開咬の話です

開咬は上下の前歯が噛み合わない状態のことです。ということは犬歯誘導は存在しません。横にスライドさせても上下の奥歯に隙間はできません。ということは、奥歯は苦手な横からの力も受け止めないといけなくなります。当然歯の寿命が短くなります。

開咬


奥歯がやられると今度は前歯の番です

さて奥歯がなくなってしまって、前歯だけになった場合を想像してみてください。皮肉にも開咬は解消します。しかし、今度は前歯が苦手な縦の力を受け止めないといけなくなります。となると今度は前歯がやられる番です

ここまで来れば、開咬の人が8020の達成が難しいのも想像に難くないと思います。


開咬じゃなければ大丈夫なのか

実は開咬に限らず、歯並びやかみ合わせのバランスが悪いとか、欠損を放置している人にも同じような現象が見られます。きちんとした犬歯誘導がないと、奥歯に余計な負荷がかかるという理屈は変わりません。歯医者さんが欠損部はきちんと治しましょうとか、歯並びが悪いから矯正した方がいいですよ、と言っている理由がまさにここにあります。

この犬歯誘導、噛み合わせの重要性を一言で表した質問があるので最後に紹介させてください

「あなたは八重歯のおじいちゃん、おばあちゃんを見たことがありますか?」



《公式LINE、インスタもチェックしてください》
LINEやインスタでは休診日やちょっとした活動の紹介もしています。またLINEでは検診の予約も受け付けていますので、ぜひご利用ください

LINEはこちら

インスタはこちら

関連記事
スポンサーサイト




2023.08.31 Thu l 噛み合わせ、顎関節 l top