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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

先日、15日、16日に講習会に行ってきた、という記事をあげましたが、今日はその報告です。

15日に松山で行われた、国立大学歯学部連絡協議会に参加してきました。

いかつい名前ですが、国立大学出身の歯医者さんの交流会といった感じです。

そのなかで講演も行われました。


テーマは「MRONJ(薬剤関連性顎骨壊死)について」

これもいかつい名前ですね…

ある薬を飲んでいる、または点滴している人が歯を抜いたりすると、その傷から細菌が入って、顎の骨が大きく破壊(壊死)されることをこう呼んでいます。

MRONJ.jpg
※少々ショッキングな写真ですので、画像を小さく、少しピンボケさせてます。歯茎から壊死した骨が露出しています

では何の薬でしょうか?


答えは骨粗しょう症の薬です。


すべての薬で起きるわけではありませんが、小さな傷からでも顎全体の半分近く壊死してしまったり、他の歯を巻き込んでいったり、当然そこは痛みが出るし、おまけに入れ歯はしばらく作れなくなる、といった非常にやっかいものです。

ですが、このお薬、骨粗しょう症にはとても有効な、きわめて優れた薬なのです。

高齢者の方が骨粗しょう症を放置して、転んで骨折して、寝たきりになっては元も子もありません。

このお薬はこれからも広く使われるでしょうし、そうなれば当然このMRONJも増えてくることが予想されます

ではどうやってMRONJを予防するか…

MORNJは歯を抜いたことだけでは起こりません。細菌が傷口から入っていくことで起きるのです。
ですから、悪い歯を放置していたり、入れ歯を痛いまま使って傷を作っても起きます。

本当の引き金は細菌感染ですから、悪いところをきちんと治療して、きれいに清掃をして、

お口を清潔な環境にすることが大切です。

骨粗しょう症の薬を飲み始める前に悪いところを治療して、薬を飲み始めたら定期的に歯科検診とケアを受ける、そんな体制づくりが必要ではないか、というお話でした。


骨粗しょう症は高齢の女性に多い病気です。

もしご家族などに薬を飲み始めた方がいらっしゃれば、ぜひ歯科に行くように一声かけてあげてください。

そして通院できない方は訪問診療という手もありますので、ぜひご活用ください。

肺炎や糖尿病、そしてこのMRONJ、歯科で防げる病気は実はたくさんあるのです。

「健康は健口から」というキャッチフレーズがありますが、その意味をまざまざと感じさせられます。
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2016.10.19 Wed l メインテナンス、口腔ケア l top