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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

今日は虫歯の話です。

皆さんは虫歯の治療をする、となった時、どんなことを気にしますか?

「抜かれるんじゃないだろうか」、「治療は痛くないのか」、あるいは「まだ痛くないのになんで治療しないといけないのか」…

そういったカンジではないでしょうか。


では治療する側、歯医者さんはどんなことを気にしているのでしょう?
これは先生によって違うと思いますが、私が一番気にしているところは

「歯の神経を残せるかどうか」というところです。

ご存知の方も多いと思いますが、歯の中には神経が通っています。

   pulp.png

赤矢印で指している黒っぽいスジが神経です。

虫歯が痛んだりするのは、この神経が侵されて痛むのです。

この神経まで虫歯が進行していると、歯の神経をとって、その通り道である根の中の治療が必要になります。
根管治療といいます)

私はこの治療をなるべく避けたいのです。


歯には神経と一緒に血管も来ています。当然栄養が来ています。

ただの固い塊と思われがちですが、歯も他の部分と同じ「生きた組織」なのです。


さあ、ここで歯の神経をとるとどうなるでしょう?

見かけは歯の形は残っていますが、もう栄養が来ることはありません。

いわば「死んだ組織」になってしまいます。

立ち枯れをおこした木をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。

強度が落ちてもろくなります。

加えて、痛みを感じなくなりますから、次虫歯になったときに全然気づかない、ということが起こります。

結果、歯の寿命はぐっと縮まります。


神経の有無で、歯の寿命になんと20年もの差がでるとも言われています。

痛くなる前に虫歯を治しましょうとか、検診で虫歯のチェックをうけましょう、と言われる所以はここにあると言えるでしょう。


じゃあ歯を抜く、抜かないはどうなのか?大した問題ではないのか?と思われるかもしれません。

むしろ、こちらの方を気にされる方のほうが多いかと思います。

もちろん、歯を抜く、抜かないは最後の防衛線です。

ちょっとここで考えてもらいたいのは、虫歯を抜くか抜かないか、を悩む場合というのはかなり悪くなっている、末期状態だということです。

この場合抜かずに治療しても、残念ながら長持ちは期待できません。そう遠くない未来に抜歯になることが多いです。


一方、神経はとるか残すか、で20年の差が出てきます。

長期的な視点で考えると、神経をとるか残すかの境目がその歯の運命を左右する最も大きな分水嶺になる、と考えています。
ですから、私はここの判断をとても重要視しています。

とは言っても、現実には神経をとることは多くあります。

何もしないのに歯が痛む、という場合はほとんどがアウトです。
お水がしみる、という程度でしたら、なんとかなることが多いです。
たまに痛みがないまま、神経まで虫歯が進行していることもあります。

いずれにしても、おかしいなと感じたら、早めに治療を受けましょう。

今度は神経を残すための取り組みについて紹介していきます。
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2017.01.25 Wed l 虫歯 l top