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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

昨日は松山で行わてた講演会に行ってきました。

テーマは「口の仕舞いかた」

少し歯科の常識から離れた、新しい視点からのお話でした。
今までの歯科は基本的に若い人、健康な人の歯をどう治療するか?という視点から発展してきました。

しかし超高齢化社会となり、80才90才の方が珍しくなくなってきた近年、従来の治療、常識が通じなくなってきてます。


歯を抜く歯医者と抜かない歯医者、どっちがいい歯医者でしょう?

間違いなく、抜かない歯医者、と思われるのではないでしょうか。

今まではそうでしたし、もちろん歯を少しでも残すことは大切なことです。

だたその常識が当てはまらなくなってきてもいるのです。


いつまでも健康なまま、寝たきりになることなく、寿命を全うすることは理想です。

しかし現実はそうではなく、人生において健康なまま過ごすことが出来るのは1割程度だそうです。

いわば9割の人が何らかの要介護状態を経験する、ということになります。


ここで歯の話に戻します。

厳しいながらも歯を抜かずに残しましょう、ということは日常の診療でよくある光景です。

状態は良くないけど、しばらく数年でももってくれたらオッケー、という考え方です。

しかし高齢の方の場合、その数年の間に体調を崩して寝たきりになってしまうことがあります。

するとどうなるでしょう?

通院が出来なくなりますから、状態の悪い歯が口の中に残ったままになります。

それが感染のもとになったり、その歯の調子が悪くなったせいで食事がしずらくなったり、といった弊害が出てきます。

歯を残しましょうといういいはずのことが、仇になってしまうのです。

今までは高齢の方が多くなかったこと、そして高齢の方はほとんど歯がなくなっていたため、表面化しにくかったようです。


ですから要介護者の増える75才位をめどに、将来感染を起こしそうな歯は体が元気なうちに抜歯した方がいいんじゃないか、ということでした。

以前、要介護状態になった場合を考えたインプラント治療を目指していることを紹介しましたが、少し似た考え方だな、と思いました。


あと興味深かったところで、高齢者の「噛めない」という訴えを義歯のせいにしすぎではないか、というお話なんかもありました。


膝や腰の具合が悪くなってくると、「年のせいかな」と思うこと、ありますよね?

歯科には年のせい、という感覚が薄く、加齢による問題が見逃されがちです。

我々歯科ももっと年齢による変化、低下も踏まえた治療を考えるようにしないといけないですね。
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