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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

最近すごく暑いですね~、一気に夏がきた気分です。

私は先週末、お休みをいただいて、

東京で行われたインプラントのフォーラムに行ってきました。

色々新しい考え方や治療法などが紹介されていて参考になりました。

インプラントも大事ですが、それ以上に大事なのは自分の歯です。

少しでも歯を残して自分の歯で食事できることは、

患者さんにとっても歯医者にとっても共通の願いです。

全ての歯を治療で治すことはできませんが、

プラスアルファの処置によって抜かずに済むこともあります。

今日はその一例を紹介いたします。

抜歯になる代表例に虫歯があります。

以前記事にしたC4と言われる状態がそうです。

なんで抜歯になるのかというと、

虫歯が深いとその後の治療ができないからです。



虫歯はそこを削ったらおしまいではありません。

その後に型をとって、かぶせ物を作る必要があります。

ここで虫歯が深く、歯茎よりも下に進んでしまっていると、

歯茎の肉が邪魔をして型が採れません。

かと言ってそのままにしておくこともできないので、

抜歯、となってしまうわけです。



どうにかならないのか?

実は方法があります。

extrusion、矯正的廷出法といいます。

対象の歯にフックを取り付けて、

両隣の歯に綱渡りのようにワイヤーを引っ付けます。

後はフックとワイヤーの間に専用のゴムをかけて、

歯に引っ張り出すような力をかけるのです。
(すみません、いい絵がなかったのでイメージしてください)

歯は力をかけると動きます。


歯並びの矯正が代表的ですね。

この場合は歯茎の下に埋もれていた歯を、

歯茎の上に引っ張り出してしまおうという治療です。

(イメージ図)

img100.jpg
コンセプトをもった予知性の高い歯周外科処置 クインテッセンス出版




上に出てきてくれれば、型を採ることができるようになりますから、

抜かなくて済む、というわけです。



ただなんでもかんでもOK、というわけではありません。

あまりにも虫歯が進みすぎていたり、

歯周病で歯がぐらついているといった、

条件が悪い場合にはできません。



あと当院では基本的に前歯に限定しています。

奥の臼歯もできるそうですが、

よっぽど条件が整っている場合以外は実施していません。

というのも臼歯は前歯に比べて歯の根っこが太くて短い傾向があり、

引っ張り出せる余地が少ないこと、

ワイヤーやゴムがうまくかけられないことがあり、

すぐ外れてしまう場合があるからです。

また矯正治療の一環ですので、数カ月の期間が必要です。

保険外診療になりますので、費用もかかります。
(当院では3万円~です)



ですから、基本的には勝算のあるところに限って行っています。

それでも抜歯になるはずの歯を救えるのであれば、

有意義な治療ではないかと思って取り組んでいます。
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2019.05.23 Thu l 虫歯 l top