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こんばんは。
四国中央市の窪田歯科医院、窪田佑輔です。

最近ブログの更新をしていないな、と思っていたら、2か月もたっていました。。。

サボりすぎですね、気をつけます。


以前C4の歯を残す取り組みの記事を載せましたが、

今日はそのC4に関してもう少し突っ込んでみようと思います。
じつはこのC4の国際的な抜歯基準というものが存在します。


この基準をもとに抜歯か治療かの判断が行われていますが、

日本ではそれほど厳密には用いられていないのが現状です。



病気の治療基準がきちんと用いられてないなんて由々しき事態ではないかと思うでしょう。


それは日本では「抜歯(する歯医者)=悪」という感覚が強く根付いていることと、

虫歯の人が多い&ひどいので、この基準で治療をすると抜歯だらけになってしまうため、と個人的考えています。
(感覚的には倍近くになる気がします)

本当は抜歯なのはわかっているけど、あえて抜歯をせず妥協的に治療をやっているということです。


むしろ日本ではきちんと用いた方が由々しき事態になるんじゃないでしょうか💦



調べていたら、同じような内容の文献がありました。

結構辛口なテイストで、執筆者の先生の想いが透けて見えます。

しかし日本では、歯科医療保険制度および抜歯する歯医者は悪い歯医者というマスコミによる偏向した報道により、
残根(注:C4の状態を指します)といえども抜歯に対する患者の同意を得ることは難しい。
(中略)
欧米では、残根を治療の対象とすることは基本的にない。

(歯科展望Vol124 歯根破折の原因と予防 より)


以前紹介したextrusionはこの残根の治療を一部可能にする方法です。

やれたらいいんですが、自費診療で数カ月かかるので、

患者さん全員が希望するわけではありません。


じゃあ日本ではどうやっているのかというと、

無理矢理治療しています。

歯茎より下に虫歯が広がっていると型が採れないことが問題なんですが、

全く採れないわけではありません。

不鮮明にはなりますが、ホントに無理矢理採ります。

型が不鮮明=出来てきたかぶせ物が甘い=近いうちにまた虫歯になる

わけですが、それを覚悟のうえで治療するのです。

加えて、残っている歯質が少ないため、接着の強度が出せません。

結果外れやすくなるとか、中で歯が割れる(折れる)というトラブルも起きやすくなります。



それでもしばらくもてばいいじゃん、と思うでしょうが、

歯医者側はそうも言ってられません。

保険でのかぶせ物には2年間の保証期間というものがあります。

治療してから2年間は保険でのかぶせ物ができません。

その間に治療する場合は、その費用は原則として歯科医院が持たなくてはいけません。
(※自費治療の場合はこの限りではありません)

保険診療は薄利多売で医院経営が成立するシステムです。

よかれと思ってやったのに、結果は大赤字という悲惨な事態になることも、決して珍しくありません。



「あそこの先生が治した歯はすぐ外れていかん」

と前の先生に少々ご立腹気味の方の口を見てみると、

難しい歯を何とか残そうとする跡が見えて切なくなることもあります。

じゃあ基準通り抜歯ですね、と言ってどれだけの患者さんが納得してくれるでしょうか?


とある研修会で国内外で講演されている講師の先生から

「日本の歯科の先生って優しいと思うよ、

赤字になるの覚悟で抜かずに治療しようとするんだもん。

結果が悪けりゃ評判が落ちる、かと言って抜歯を提案すれば悪徳と言われる。

医院にとっては良くてプラスマイナスゼロ、ほとんどはマイナス。

欧米ではこんなことまずやらないよ。」

と言われたことがありますが、

確かに海外の先生が執筆した文献をみると、

予後が厳しい残根は中途半端なことをせず、抜歯している気がしますね。

こんな風にきちんと基準通りに治療できれば、どんなにいいことか。。。

日本の歯医者さんは実はこんなことに悩みながら治療してたりするんです。



少し話が逸れましたが、

虫歯が多すぎて、虫歯の治療基準をきちんと適用できない

とはなんとも皮肉なことです

さんざん偉そうなこと言ってますが、私も同じです。


現実問題として仕方ないのでしょうが、

予防歯科が定着して、虫歯でボロボロな人が減ってくると

もっと一本一本妥協しない治療ができるようになるのかな、とも思っています。
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2019.09.08 Sun l 虫歯 l top